千葉県弁護士会
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会長あいさつ

2018年度会長 拝師徳彦千葉県弁護士会は千葉県内に法律事務所を有する弁護士・弁護士法人を会員とする強制加入団体です。私たち弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命としています。当会会則では、この使命を達成するため、「弁護士会に設置されている各種委員会活動をはじめとする公益的活動に積極的に参加しなければならない。」と定めています。現に当会は、人権擁護委員会、憲法問題特別委員会、刑事弁護センター、高齢者・障がい者福祉支援センター、消費者問題委員会、法教育委員会など約60の委員会・PTを設置して、さまざまな公益活動に取り組んでいます。当会HP「弁護士会の活動」のところに当会の委員会の活動の一部を掲載してありますので是非ご覧ください。ちなみにこれらの活動費は基本的にすべて自分たちの支払う会費(弁護士会費)から捻出しています。

このようにさまざまな社会問題・人権問題に取り組んでいる弁護士会ですが、今日の日本社会には、格差社会と貧困問題、高齢者・障がい者問題、消費者問題、男女共同参画やLGBTsなどなど、弁護士・弁護士会だけの意見・力だけではいかんともしがたい重大な課題が山積しています。志を同じくする様々な市民・市民団体の皆さんと手を携えていかなければ、その解決は困難だと思います。より多くの皆さんに当会の活動の実情を知っていただき、さまざまな場面で積極的な連携を実現していきたいと思っています。

今日の日本社会が抱える諸問題のなかでもとりわけ大きな課題が憲法問題です。いうまでもなく、戦争は最大の人権侵害です。憲法は、権力の暴走を防ぎ、平和主義を貫くための人類の知恵の結晶です。このことを社会全体で十分に共有したうえで、我が国が一歩たりとも戦争に近づくことのないよう、広く議論を呼びかけ、リードしていく責任が弁護士会にはあると思います。憲法問題についても今まで以上の幅広い連携を模索していきたいと考えています。

最後にちょっとだけ触れさせていただきたいのが、私たちの「業界事情」です。一言でいうと、私たち弁護士の業界は、弁護士人口の激増により、この仕事で生計を立てていくのが困難な業種になりつつある、ということです。特に若手弁護士の場合、一人当たりの収入の低迷に加えて、法科大学院時代の奨学金(借金)、さらに司法修習時代の貸与金(これも借金。主に弁護士1年目から6年目の世代)があるため、経済的困窮が大変深刻となっています。

弁護士の多くは、人権擁護と社会正義の実現という使命を果たすことを夢見て司法試験にチャレンジし、弁護士という職業に就いているわけですが、実際には自分の生活で手いっぱいでなかなか委員会活動に参加できない弁護士も増えつつあります。こうした状況から、弁護士会費の値下げの声もしばしば上がってきます。しかし先ほど申し上げた通り、弁護士会の活動は会費により成り立つものですので、安易な会費値下げは弁護士会の公益活動の制限に直結します。その結果弁護士・弁護士会の社会的な存在意義を失うことになりかねないのです。弁護士には、ときに国家権力と対峙し、在野の立場で市民の人権を守る、という重要な役割があるのですが、このままではその基盤となる弁護士自治が崩壊しかねない状況となっています。

私たちの業界がこうした悩ましい状況に陥っていることをどうかご理解いただき、この問題に対しどう対応すべきかを一緒に考えていただければ幸いです。もちろん私たち自身も、「敷居が高い」といわれる弁護士像から抜け出し、地域のあちこちに出かけて行き、さまざまな方々と手を携えて、皆様のより身近な存在になるよう努力していく所存です。どうか今後とも千葉県弁護士会をよろしくお願いいたします。

2018(平成30)年4月1日

2018年度会長 拝師徳彦(はいしのりひこ)